variety26

2025年01月17日 / ひとりごと


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 『 フクロウ 』  MAYA MAXX  2023

みなさんは、何の脈絡もなく、頭の中で音楽が鳴ってるときってありませんか?
まあ、自分の好きな音楽が鳴ってれば、鼻歌まじりに納得もいくってものでございます。

     先日のこと、ぼくの頭の中で一日中「太陽にほえろ!」のテーマが鳴り響いておりました。
     「ちゃらっちゃー、ちゃちゃらー、ちゃらちゃー」ってなんでやねんと、ひとりツッコミ。

     気が付くと「ちゃらっちゃー」で、一日を終えて車に乗り込み、何気にカーラジオをつけると、
     なんとスピーカーから、リアル「ちゃらっちゃー」が流れてくるという、世にも奇妙な物語。

     「ちゃらっちゃー」って、トランペットだったんだ…と訳の分からない感想をポツリとつぶやき、
     呆然と帰路についたのでありました…



     さてと、「ちゃらっちゃー」の小話はメインじゃないので、そこんとこよろしくお願いします。
     てなわけで、久しぶりのvarietyシリーズ、飴玉コラムも含めて「続きを読む」以降に。

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あけましてジャミラ

2025年01月01日 / 人物


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2025年、新年あけましておめでとうごじゃりまする。
さてと、正月も意外と暇だしね、飴玉のブログでも見ようかなと開いてみると、ジャミラ。

     シュールな新春を迎えまして、思えば昭和の小学生は、下のイラストのようにジャミラ。
     平成は、千と千尋のカオナシと、お母さんに「シャツが伸びる」と怒られる伝統がございます。
    
     令和の今、この伝統の継承を憂うような、そうでもないような、神妙な面持ちで迎える新年。
     まことに気が引き締まる思いではございますが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

     そんなお暇な方々に捧げる、1966年の「ウルトラマン」第23話、ジャミラの物語。
     「続きを読む」以降にご用意しておりますので、よかったらどうぞ。



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BUT NOT REALLY

2024年12月27日 / やさしい哲学


『 The Giving Tree 』  Shel Silverstein  1964

シェル・シルヴァスタインの絵本「おおきな木」は、日本では1976年に本田錦一郎の翻訳で出版されて以来、ロングセラーを続けています。

     2010年に村上春樹の翻訳版が出版されてるけど、上の動画は本田錦一郎訳のものです。
     2人の翻訳は根本的に異なり、そこを含めて「続きを読む」以降に記述したいと思います。

     まあ話が進まないので、とりあえず、上の動画を見ていただければと思います。

















『 Long Yellow Road 』  穐吉敏子  1961

日本人ジャズ・ピアニストの「生ける伝説」と呼ぶべき存在、穐吉敏子さん。
95歳にして現役であり、今もライブで演奏される彼女のテーマソング、「黄色い長い道」です。

     アメリカを拠点に、グラミー賞に計14度もノミネート(未受賞)されるほど、偉大な存在です。
     この曲は本当にクールだと思う。 もし気に入ったら、彼女のアルバムを置いておくのでぜひ。

     ちなみにシェル・シルヴァスタインは作詞作曲と自作の詩で、2度グラミー賞を受賞している。
     この記事の最後に受賞した詩集のタイトル作品も載せておくので、こちらもよかったらどうぞ。

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『 道程 』

2024年12月10日 / やさしい哲学


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                 『 手 』  高村光太郎  1918  ブロンズ

      360度回転3D画像 右 https://www.momat.go.jp/extra/3dvr/hand/

そのむかし「牛」というタイトルの、とてもとても長い詩をブログに載せたことがあるんだけど、
その作者が高村光太郎で、本人は詩人ではなく、自身を彫刻家であると名乗っていたらしい。

    「手」という作品は教科書にも載ってたけど、見る者に何とも言えない感情を抱かせる。
    印象的な手の形は、仏像から着想を得ているらしいので、なんとなく納得できる気がする。

    今回は、高村光太郎にスポットを当てて、彼の詩や彫刻を紹介していこうと思います。
    子供の頃に教科書で読んだ詩も、今読むとまた違った印象を受けるんじゃないかな。



























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             『 油蝉 3 』  高村光太郎  1924  木工丸彫着彩


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  白絹袱紗 短歌  「 ぢりぢりと きしる蟬の音 すみゆけば 耳にきこえず たた空にみつ 」

詩に出てくる千恵子は彼の妻で、油蝉の彫刻を着物の袖に入れて持ち歩いていたそうだ。
上の短歌は、千恵子が作ってくれた袋に、高村光太郎が書き記したものである。























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          『 柘榴 』 (ざくろ)  高村光太郎  1924  木工丸彫着彩












































 『 ぼく 』  作 谷川俊太郎  絵 合田里美  2022

 ETV特集 選 
 「ぼくは しんだ じぶんで しんだ 谷川俊太郎と死の絵本」
 12月19日 木曜 0:00 -1:00 NHKEテレ (水曜深夜)

 詩人の谷川俊太郎さんが11月に亡くなった。
 90歳の時に出した絵本の創作に、番組は密着していた。
 テーマは「子どもの自死」。
 リモートで行われた絵本作りの2年間、絵を描く合田里美に谷川は何度も描き直しを求めた。
 意図は何?
 合田は必死に探る中で、谷川の死への思索、そして子どもたちへのメッセージを見つけていく…
 合田の作画をアニメ化し、特異な絵本の誕生を追体験。谷川が遺した“死の哲学”に迫る。



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 「詩のボクシング」 谷川俊太郎さんをしのんで
 12月20日 金曜 0:35-1:50 NHK総合 (木曜深夜)

 1998年に放送された「詩のボクシング 鳴り渡れ言葉 一億三千万の胸の奥に」。
 詩人、谷川俊太郎さんとねじめ正一さんが、10ラウンドにおよぶ詩の朗読の応酬で真剣勝負。
 その激闘を多くの人が見守った。
 番組でリング下の解説者を務めた作家・高橋源一郎さんをスタジオゲストに迎えて、
 谷川俊太郎さんの創作の秘密や未来にのこしたメッセージを読み解く。




























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  2024年11月17日(日)  朝日新聞掲載 (生前最後の詩と思われる)




























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       『 老猿 』  高村光雲 (高村光太郎の父)  1893  重要文化財






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 最後の講義 選  「 ジャズピアニスト 山下洋輔 」
 12月18日 水曜 22:00 -22:50 NHKEテレ

 人生最後なら何を語る?
 国内外で大活躍80代ジャズピアニスト山下洋輔さん。
 幼少からピアノ大好きで楽譜嫌い?
 即興で弾く唯一無二のフリージャズで世界圧倒。
 心が自由に…

 人生最後の覚悟でメッセージ。
 世界で活躍の山下さん。
 即興で音楽を作曲し繰り出す圧倒的ジャズピアノの世界!
 10~20代はもがき音大でクラシックを勉強。
 山下版ジャズ世界=有名な肘打ち奏法はどう誕生した?
 クラシックや和太鼓ともコラボ、なぜ常に革新的な新たな音楽を?
 聴講生はさまざまな分野の若き音楽家たち。
 楽譜なし即興の大コラボ演奏はどんな展開に?
 音楽のすごさ深さに感動し心震え最後は魂が解放される…衝撃49分






















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「道程」もまた、聞いたことがある詩だと思うんだけど、この詩のオリジナルは、「牛」と同様、とてつもなく長いが読む価値はある、というかオリジナルにこそ、その本質がある。

     もちろん今回のメインは、この詩なんだけど、長いので「続きを読む」以降に置いておきます。
     いくつかわからない言葉があると思うので、ここで先に注釈を入れておきます。

     「道程」 (どうてい)  ある所、状態にいたるまでの過程、道のり
     「大道」 (だいどう)  幅の広い大きな道、また人として行うべき根本の道徳
     「戦慄」 (せんりつ)  恐ろしくてふるえること
     「気魄」 (きはく)    気迫・他に力強く働きかける精神力
     「自憑」 (じひょう)   文脈から考えるに、自然が憑依した状態、境地 (※ 飴玉による注)

     旧(歴史的)仮名遣いには、カッコして現代仮名遣いを入れておきました。
     却って読みにくかったら、ごめん。  続きを読む


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(Just Like) Starting Over

2024年12月02日 / ひとりごと

男の子たちは、ロボット(乗り物)や変身モノのアニメのヒーローにあこがれ、女の子たちは魔法少女(アイドル)や占いに興味を引かれる。
ここには願望や夢が象徴的に内包されているわけで、男の子たちは身体性の拡張で世界を破壊し、理想世界を作ること、女の子たちはありのままの私が不思議な力(外部からの訪れ)で救済される(愛される)ことを願っている。

いずれにも共通するのは、(子供である)自分には何もできないという無力感であろう。

大人から適切な環境に置かれなかった子供たちは、無力感がより強く発露し、人格の発達をこじらせてしまう。
甘やかされて育った子供は全能感を持つが、褒められることが当たり前になると、その価値自体がダダ下がりし、社会との比較も相まって、自己肯定感も下がる(これが今の教育)。

幼少期の無力感は、大人になってからも引き継がれていて、大人たちは社会における自己実現を、その願望に置き換えようとする。
それが、「あなたの将来の夢は何ですか?」というやつである。

これが厄介で、先送りにすることで延命を図ろうとするが、夢というやつが思い通りにならなかった責任は、結局自分で取ることになる。
そんなことより、その大元にある「無力感」というやつは、本当に適切な感情だったのかと問うことは、とても大切なことだと思う。

簡単に言うと、自分の力でどうにもならなかったことなんて、一体どうできたっていうんだろうってこと。
つまり、そんなのはどうだっていいのだ。 

記憶を辿って、その頃の自分に言ってやればいい。 「ずっと見てたよ。君はよくやったんだ」って。
イメージの中で、ひしと抱きしめて、一緒に泣いてあげたらいい、気が済むまで。




















長くなっちゃったけど、そういうことを踏まえて、「続きを読む」以降にちょっと書いてみた。
あまり好きな記事ではないんだけど、よかったら読んでみてほしい。
  続きを読む


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11月19日の記事

2024年11月20日 / 日々の想い


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  ( そこにいつまでも )


   そこにいつまでも
   私はいる
   地面に木漏れ陽が
   落ちて

   おもかげは
   川音に
   紛れ
   言葉は薄れて

   そこに
   独り
   立ち尽くし

   すべてを
   愛でる
   私がいる


   谷川俊太郎  2021
















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 谷川俊太郎  「未来を生きる人たちへ」 公開 2024/3/28
 https://www.asahi.com/special/tanikawashuntaro/






















今日はちょっと、おかしなことを書いてみようかな、そんな気分、消すかもしれないけど。

     あなたの顔は、実在するのだろうか。
     鏡や写真の中に、あるいは他者の視線の中に、それはある。
     そこに意識を向ければ、呼吸音が聴こえるかもしれない。
     触れてみれば、手と顔にその感触が伝わるだろう。
     だから、ではなく、それでもなお、
     あなたの顔があるはずの空間に、本当に、それはあるのだろうか。
  


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You just watch.16

2024年09月17日 / やさしい哲学



この動画、たったの1分45秒だけど、ぼくは結構な衝撃を受けました。
曲だけのフルバージョン 右 https://www.youtube.com/watch?v=rN2HcfR1xtQ


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  ( 2020  109min. )         ABEMAにて、11月10日(日)A.M.5:48まで無料配信中
 哲学とは全く無関係ですが何か? 右 https://abema.tv/video/episode/170-58_s0_p1




















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  スイッチインタビュー  『北野武(映画監督) × 村山斉(素粒子物理学者)』
  NHK Eテレ  9月27日(金) 午後9:30〜午後10:00 (EP1)
  NHK 総合? 10月4日(金) 午後9:30〜午後10:00 (EP2)

  映画監督の北野武が登場!
  ぜひ会いたいと願った素粒子物理学者・村山斉と対面。
  サイエンス・宇宙をめぐる奥の深い議論を繰り広げる。

  世界的に評価の高い映画監督 北野武。
  北野は大のサイエンス好きで、普段から科学書を読んだり、数学の問題を解いているという。
  そんな北野が素粒子物理学者の村山斉と、サイエンス・宇宙についての対話を繰り広げる。
  難解な数学や物理学はいまどこまで宇宙の謎を解き明かしているのか?
  そもそも数学は本当に正しいのか? そして宇宙はひとつだけなのか?
  宇宙論と宗教の関係? 
  天才と天才の議論は予測不能の展開を見せる。

対談後インタビュー(村山斉) 下 
https://www.nhk.jp/p/switch-int/ts/K7Y4X59JG7/blog/bl/ppoboWY15R/bp/pOZkxGvdyn/

心に残った言葉
その1 
https://www.nhk.jp/p/switch-int/ts/K7Y4X59JG7/blog/bl/peZjvLyGze/bp/pDqM47JrgD/
その2
https://www.nhk.jp/p/switch-int/ts/K7Y4X59JG7/blog/bl/peZjvLyGze/bp/p4KXVvYB5q/
  


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タイムマシンにのって

2024年09月12日 / やさしい哲学

※ 今回もイヤホンやヘッドホンを用意して、できるだけ大きな音で聴いてください。

『 The Four Seasons, Op. 8, "Spring": Allegro 』  Antonio Vivaldi  1725

中学生になったばかりの4月、まだ12歳で、真新しい大きめの制服を着た、落ち着かない様子のぼくたちが、音楽室での授業で最初に聴いたのが、ヴィヴァルディの「春」だった。

     いままでに聴いたことのない音量で、2つの大きなスピーカーから美しいメロディが流れてる。
     「ヴァイオリンのソロは、小鳥のさえずりを表現しているのよ」と、音楽の先生が教えてくれた。

     チェンバロの音色が、ずっと流れていたことには、気がついてすらいなかった。
     そのうちに、「バロック時代」がどうのという話が始まった頃には、窓の外の空を見てた。     

     今朝、お気に入りのコンバースのハイカットで登校したら、「コウソクイハン」だと言われた。
     小学生のときは自由だったのに、明日からはダサい靴で登校しなければならないらしい。

     12歳にして、ため息というやつを憶えた。大人より、ちょっとだけ高い音のする、ため息。
     「最後にもう一度、ヴィヴァルディの春を聴いて、授業を終わります」と、先生が言った。

     幼いため息と、ヴィヴァルディの春が、青空に溶けていった。














     さてと… 「このくだり、いつまで続くんじゃい」とか言わないように。
     今回は、中学校の鑑賞教材を利用して、大人のっていうか、飴玉式音楽の授業を行います。

     「続きを読む」以降に、例の問題作を含め、曲を用意しておくので、よろしくお願いします。
        Click!  右      続きを読む


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variety25

2024年09月01日 / ひとりごと


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 『 水蛇Ⅱ 』  Gustav Klimt  1907














『 かいじゅうたちのいるところ 』 モーリス・センダック(作)  じんぐうてるお(訳)  1975/12/5

今回の絵本のコーナーはこちらなんだけど、YouTubeにあったので、まずはご覧ください。

     ずっと前に全編紹介した、短編映画「I’m here」のスパイク・ジョーンズが映画化してます。
     この絵本を101分に膨らませて実写映画化してるので、興味があれば、ぜひご覧ください。
     
     スパイク・ジョーンズは、「マルコヴィッチの穴」とか「her/世界でひとつの彼女」の監督です。
     話が逸れちゃったけど、この絵本自体が歴史に残る名作であることは、間違いありません。






































 『 メーダ・プリマヴェージ 』  Gustav Klimt  1912

















にわに木が


にわに木がたっている
木のむこうにそらがひろがっている
そのむこうには
なにもない
いや
あるのだ
ほんとは
みえないけれど
きこえないけれど
うん
てでさわれなくても

それはなにか
そう
なんとよんでもいい
にわの木は
むかしからコナラ
あんしんする
なまえ
おぼえているかな
しんだ
あいつ
なまえのかずかず

あ きこえる
とおいおと
バイオリンと
ピアノ

いすにすわって
むかしのひとの
ほんをよむ
ことばは
いま
うまれたばかり
みたい
といかけられていないのに
わたしではなく
わたしのいのちが
こたえている

わたしは
うん
どこか
とおくへいきたいのだ
ここから
とおい
しらないのに
なつかしいどこか
そこには
はやしがある
ちいさなかわがながれている
そこへ

しらないことは
いつまでも
しらないまま
そう
しっているやまをみて
しっているうみのにおいをかいで
いきている
いまも

にわに木がたっていて
そのうえに
そらは
ある
ありつづける
わたしが
うまれるまえから
わたしが
しんだあとまで
たぶん

わたしがそういうと
あなたは
うなずいた

だまってうなずいた
あなたが
すきだ


谷川俊太郎  2020






















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 『 バージン 』  Gustav Klimt  1913















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え~と、突然ですが、「オニヤンマくん」ってアイテム、みなさんはご存じでしょうか?
簡単にいうと、蚊の天敵はオニヤンマなので、近くに置いたり身に着けると、寄ってこない。

    と、まことしやかにささやかれておる代物です、はい。 真相は定かではございません。
    それを飴玉さんが自作してみたよ、自慢だよ、ねえねえ、すごいでしょ!?のコーナーです。

    我ながら、寝起きに見るとビックリするクオリティ。 割り箸とクリアファイル製とは思えません。
    無駄な殺生をしなくて済む点が、飴玉国憲法にかなっておって、大変よいぞよ(急に王様風)

    というわけで、ひさしぶりの「ひまなので…」のコーナーでしたあ。


-













































 『 ヘレーネ・クリムトの肖像 』  Gustav Klimt  1898



















『 Take the A Train 』  美空ひばり X JAZZ  1955

美空ひばりが17歳のときに歌った、ジャズ・スタンダード・ナンバーです。
「A列車で行こう」は、誰もが一度は聴いたことがある曲だと思います。…なかったらごめん。

     ジャズ・ボーカルでは、ずっと前に紹介したルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」
     が有名だけど、彼の本業は天才ジャズ・トランペット奏者だったりする。

     ジャズ・ボーカルはほとんど聴かないけど、この美空ひばりの凄さって、一体何なんだろう。

















          『 Nuda Veritas 』 (裸の真実)  Gustav Klimt  1899




見る人に鏡を向けて真実を問う女性の上に、フリードリヒ・シラーの言葉、「汝の行為と芸術をすべての人に好んでもらえぬのなら、それを少数者に対して行え。多数者に好んでもらうは悪なり」













 「生きる」 谷川俊太郎 → https://candyball.ti-da.net/e1762379.html

谷川俊太郎さんの有名な詩「生きる」の中では、「生きているということ いま生きているということ」のリフレインの合間に、ある種受動的に、あるいは不意に訪れる様々なエピソードが織り込まれていく。

その心地よいリズムの中に身をゆだねていると、唯一、唐突に、「かくされた悪を注意深くこばむこと」という一文が差し込まれる。

それだけは、受動的に自己に「訪れる」ことではなく、自己の能動的な意志のようなもの。

この違和感をどう捉え、教科書に載ってる詩なので、どう指導されたのか、ぼくの記憶にはない。
あのときわかっていたのは、これは倫理や道徳のようなものを指すのではない、ということだけだ。

今のぼくには、社会ではなく、世界からの訪れを受信するための周波数のようなものだと感じられる。

こどもたちが、目の前で起きているいじめに見て見ないふりをするとき、あるいは大人たちがそれを知りながら集団で隠蔽しようとするとき、醜悪な自己保身は、協調性というきれいな言葉に置き換わる。

そもそも嘘で作られている言語を、人の嘘でさらに汚した彼らに、「世界」が訪れることは決してない。
人が最初に使い方を間違えたおもちゃこそが言語で、それ以降の歴史は捏造された意味の悲劇だ。

小学校6年生のとき、多くの教員たちが見守る授業で「環境問題が解決することはない。どうしようもなくなるまで」と発言したら、きれいで前向きな言葉を期待していた大人たちは、怪訝な顔をしていた。

担任の先生を困らせてしまったのかもしれない。けれど彼は最後まで、ぼくに「自由」を教えてくれた。
世界が訪れるのは「わたし」に、ではない。世界と感応するのは、「いのち」なのだ。
























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 『 接吻 』  Gustav Klimt  1908





  


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「JAZZ」を語る (その2)

2024年08月16日 / やさしい哲学


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JAZZを語ることは、セックスを語ることで、それは世界との関係性を語ることでもある。
というのが裏テーマなんだけど、まあ、とりあえずシンプルに「JAZZかっけー」でいいかな。

    まずはJAZZに興味を持っていただくきっかけとして、我らがチョーさんにご登場願いました。


麒麟麦酒「キリンラガービール」 CM 2000-2003

ドリフターズは一流のミュージシャンで、1966年のビートルズ日本公演の前座を務めている。
コメディアン以前のいかりや長介は、ウッドベース奏者としては日本の先駆け的存在である。

    ここから先は前回の続きで、JAZZを通した「まぐわい」の動画を紹介したいと思います。
    「続きを読む」以降に置いておくので、前回同様、なるべく大きな音量で聴いてみてください。

      ↙
  続きを読む


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You just watch.15

2024年08月06日 / やさしい哲学




















- 『 少女像 』  児島虎次郎  1913









‐『 ショート・ターム 』  2013 (97min.)

 ABEMAにて、8月11日(日)まで無料配信中
 https://abema.tv/video/episode/273-654_s1_p1






























 『 朝顔 』  児島虎次郎  1916ー1921





















この歌詞は、みんな知ってる童謡「おんまはみんな」なんだけど、元々はアメリカの民謡「年老いた灰色の牝馬」というタイトルで、「昔の面影はない」と繰り返す悲しげな作詞の曲だ。

    その曲に中山知子が童謡として日本語で作詞し直したのが、「おんまはみんな」ということ。
    「オノマトペ」が効果的に使われて、見事に童謡として生まれ変わり、幼児飴玉も熱唱してた。

    ただ、「パッパカ」が楽し過ぎるぶん、「どうしてなのか誰も知らない」が、どうにも引っかかる。
    幼児のぼくには、その引っかかりの意味はわからなかったけど、何とも言えない不穏な感じ…

    結局の所、原曲同様、これは人間のことを歌っているのだと気づいたのは、ずいぶん後の話。
    そして、どうかいつの日か、「だけど、おもしろいね」って素直に言えるようにと、ぼくは願った。




























 『 和服を着たベルギーの少女 』  児島虎次郎  1911
  


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飴玉、大分にあらわる!

2024年07月13日 / やさしい哲学


『 I'm Confessin' (That I Love You) 』  Thelonious Monk  1965

とりあえず、このいかついジャズピアニストの、ミスタッチを物ともしない演奏でも聴きながら、飴玉さん大分遠征編、ごゆっくりどうぞ。とても短い曲なので、ループ再生がおすすめです。




































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 『 雲 』  福田平八郎  1950

 それが、大自然の呼吸とか、脈拍とかでなくてなんであろう。
 それこそは自然のおもかげであり姿であるはずだ。
 私はじっと見入った、私の心を。

















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今回の旅の目的は、大分県立美術館で7月15日(月)まで開催されてる、福田平八郎展を見に行くこと。めずらししく、飴玉の独自作品解説を入れてみるので、よろしくです。





















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 『 金魚 』 (素描)  福田平八郎  1921

この作品は、別に有名なものではないんだけど、初期には見たまんまリアル(写実)に描こうとしてたってことを示したかっただけです。最初に載せた「雲」は、その30年後の作品です。




















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深夜のドライブの休憩がてら、早朝6:30に立ち寄った、由布院の「乙丸温泉」です。
朝っぱらからしっぽりと、マジでもう帰ってもいいってくらい、完璧に整いました。




















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 『 鯉 』  福田平八郎  1921

福田平八郎は、「水」を描くことをライフワークとしていたけれど、透明で流動し続けるものを絵にすることは、困難を極める。悪戦苦闘の末に、最初の「覚醒」を迎えたのが、この作品。


































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乙丸温泉は公共の温泉施設、入浴料はなんと200円!で、賽銭箱に入れるシステム。
こういう温泉は、別府も含めてたくさんあるみたいで、ホテルいらねえじゃんと思いました。



















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 『 漣 」 (さざなみ)  福田平八郎  1932  【 縦1m57cm x 横1m81,8cm 】

今回、大分まで来て、生で見たかったのは、この絵であると言っても過言ではない。
「さざなみ」の情報量は半端なく、しかも流動的で、通常の人間に捉えることはできない。

    葛飾北斎の有名な「波」の浮世絵があるけど、彼はおそらくサヴァン症候群だと思われる。
    つまり、一度見たものを写真のように記憶する能力で、代償に脳のバランスは失われる。

    「ぼ、ぼくは、、お、お、おにぎりが、すきなんだな」の山下清画伯が典型的でわかりやすい。
    
    上に載せた「鯉」は、各魚の水深による見え方の違いを使った間接的な水の表現たけど、
    「漣」は真正面から「水」を描こうとした、通常の脳としては限界の、直接的な表現だと思う。

    これを可能にするとき、画家は対象と「ひとつ」というか、それそのものになっている。
    絵に限らず、何かを極めていく人は、たとえ無自覚でもそうなっている、とぼくは強く感じる。

    そしてその後で、写真のようにではなく、その「本質」だけを絵にしている、ということ。
    まど・みちおさんの「うたをうたうとき」は、おそらくそれをわかりやすく詩に表現したものだ。

    























-
由布院から別府に行く途中の、やまなみハイウェイから見た由布岳。
別府から大分市への道のりは海沿いの快適なドライブで、大分県立美術館に到着しました。


















- 
 『 青柿 』  福田平八郎  1938

福田平八郎は、30歳頃、「鯉」が帝展で特選となり、妻テイとの結婚を義父から許される。
40歳頃に「漣」を発表し、物議を醸すが、84年後の2016年に国の重要文化財に指定。
    
     「漣」以後は、写生狂を自称し、子供のように自由な作品を描き続け、82歳で生涯を終えた。
  


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You just watch.14

2024年06月30日 / やさしい哲学



























 『 桐に小禽 』  菱田春草 1908年















ある日の早朝、なぜか「テレビ体操」が放送されてて、ぼくは画面を見てたわけじゃないけど、
音だけは何気なく耳に入ってるっていう、そんなシチュエーション。
     
     女子が恥ずかしがることで悪名高い(笑)「ラジオ体操第二」の音楽が流れてて、
     ぼくは思わず「ん?」と画面を見た。
     
     聴き慣れてたはずのそのメロディーが、素晴らしくドラマチックで、驚いたから。
     
     体操の振り付けが先行して、それに合わせて作曲されてるはずだから、
     その制約はかなり大きいはずで、それは当然、画面上からも見て取れた。

     作曲者に思いのほか引き込まれて検索してみると、まず第一と第二の作曲者は別らしい。
     ラジオ体操第二は、團伊玖磨(だん・いくま)という人の作曲で、他の作品を調べてみると、

     「おつかいありさん」  作詞 関根栄一
     「ぞうさん」  作詞 まど・みちお
     「やぎさんゆうびん」  作詞 まど・みちお

     など、幼稚園や保育園で子供たちに熱唱されてる、誰もが知ってる童謡の作曲者だった。
     もちろん各々の作詞も天才的ではあるけど、作曲の秀逸さ抜きでは語れない、あの曲。

     こういうシンクロニシティは、世界の小さな秘密を見つけたみたいで、なんだか楽しい。
     社会とは全く無関係に、世界が「Yes!」と言ってくれてるような、そんな朝の出来事。













 『 紫陽花 』  菱田春草 1902年
  


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You just watch.13

2024年05月26日 / やさしい哲学




















 『 UNTITLED’17 』  大森浩平  2017年  鉛筆画 













 「 ファイト!」  中島みゆき・作詞作曲 1983    槇原敬之ver. 2005































 『 UNTITLED’21-3 』  大森浩平  2021年  鉛筆画
















おとなのEテレタイムマシン 日曜美術館「私とフェルメール」 谷川俊太郎

6月1日 土曜 22:00 -22:50 NHKEテレ

Eテレの膨大なアーカイブから選りすぐりの番組を4Kリマスターでお届けする。
今回は1980年4月20日放送の日曜美術館「私とフェルメール 谷川俊太郎」。

17世紀のオランダの画家・フェルメールについて詩人の谷川俊太郎さんが語る。
死後、その存在が忘れられていたフェルメールだが、再び注目を集めた19世紀までの間にその作品の多くが失われ、現存するのは30数点である。
谷川さんは、1967年、アムステルダムの美術館で「小路」という作品を見て以来、フェルメールのとりこになったと語る。


谷川俊太郎さんは現在92歳なので、まだ50歳くらいの若い頃(?)の番組です。
個人的に、彼がこの世界に生きているというだけで、なぜかまだ大丈夫だと思える不思議。

     フェルメールの作品については、以前の記事に載せているので、参照してみてください。
     番組内容はぼくも知りませんが、谷川さんはフェルメールにかなり思い入れがあるようです。
     

     エッセイ 『フェルメールへの渇き』 谷川俊太郎
     
     見えるものを、見えるとおりに画こうとした人、
     基本的にはそういう風に私はフェルメールを理解している。
     すべての画家がそうだと言えぬこともないが、
     フェルメールにおいて独自なのはその見え方だったのであって、
     見えるものとは彼にとって夢に見えるものではなく、
     幻覚に見えるものでもなく、観念に見えるものでもなかった。
     それは根本的には平凡な人間の、平凡な視覚に見えるものと何の相違もなかった。
     そういう自分の目に見えるものをフェルメールは信じていた。
     彼はそれらを見ると同時にそれらを聞き、それらを嗅ぎ、
     それらに触れ、それらを感じ、それらを生きた…
     彼の目には現実の事実や人間は、そのままで限りなく美しいもの、
     精妙なもの、不思議なものに見えていたに違いない…
     現実へのそういう信頼が彼の眼を深め、
     遂には写実力がそのままで想像力と化す奇蹟が起こったのだ。
     ワシントンのナショナルギャラリーで最後にフェルメールの画を見てから、一年八ヵ月になる。
     そして、すでに私はフェルメールに渇いている。
     画の前を離れた瞬間から渇いていたのかもしれない。
     そしてあの窓からの光、光以外の何ものでもない光。


関係ないけど、小学生くらいの子って、木の絵を描くときに枝や幹から描いちゃうんだけど、
それって見たまんまじゃくって、脳内で木の構造を分解して描いてんだよね、たぶん。

     そういうのを見ると、大切なものを失っていく気がして、なんとも言えない気分になる。
     上手に絵を描ける子は、葉と枝と幹を分解しないというか、そういう姑息な手段を知らない。

     この辺は、社会性との関係ももちろんあるんだけど、見たまんまを失っちゃいけないんだよ、
     もっと言えば、言語による分節化が始まってる証拠なんだけど、本当は別れちゃいないわけ。

     というこの文章自体が、構造分析以外の何物でもないんだけどさ。
     だから両利きが理想なんだけど、先生は絵が下手な子を頭がいいなんて言っちゃうんだよ。

     きっと飴玉先生(ひさしぶり!)ならば、「本当にそんな風に見えるかな?」って問いかける。
     最近言ってる音楽も含めた芸術分野は、お勉強じゃなくって、世界に属するものなんだよね。

     あとついでに、以下に谷川さんの最近のインタビュー語録も。


     この歳になって本を読むのが好きになったんですよ。
     既に仕事もたくさんしたし、連れ合いもいないし、
     子どもは皆自立して足はおぼつかなくて外出が億劫となれば、本を読むしかない(笑)。
     そうしたら、これが面白い。
     最近だとスピノザというフェルメールと同時代のオランダの哲学者に関する本です。
     彼とは資質が似ていると思っていて、しかも僕とほぼ三百歳違いなんですよ。

     『エチカ』という彼の有名な本があるんですが、それは面倒臭いから読まないで、
     『エチカ』の解説書を読んで大体こういうもんだと見当つけ感動しているわけ。
     一番感動したのは「自然と神は同じもの」という考え方。
     僕もいつの間にか同じようなことを思っていたから
     「あれ、僕が言ってることを言ってるじゃん」と、好きになっちゃった。
     思考の詩人っていうのかな。
























 あ、この詩は、まど・みちおさんですので、あしからず。
  


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「JAZZ」を語る

2024年05月07日 / 日々の想い



「きれい」と「美しい」を同じ意味だと思っている人は多いけれど、そのふたつは全く異なる。
表面上のもの(例えば容姿や所得、損得とか、時には言葉でさえも)が、実際の存在の豊かさとは全く異なるように。

だから甲本ヒロトは、「ドブネズミみたいに美しくなりたい」と叫ぶ。
で、存命中の日本人史上最もクソな時代を生きるみなさんに、ジャズの素晴らしさを伝えたいと思う。

もしかしたらジャズといえば、琥珀色の照明の昭和の喫茶店のBGMみたいなムード音楽とか、ホーン奏者の自己陶酔型の演奏を想像するのかもしれない。
まあ、そういう側面も残念ながら否定できないんだけど、ぼくの定義は、その語源であるという「セックスのスラング」=「ジャズ」ということ。

つまり言葉にするとショボいけど、すべての楽器の演奏者は、他の楽器の音をありありと感じながら、即興で一体となってまぐわうこと。
そして聴く者までもが、その一体感に巻き込まれることこそが、その醍醐味なのだと、ぼくは思う。

というわけで、ジャズに馴染みのなかった方にもわかるように、曲を紹介していこうと思うので、よかったらお付き合いを。
※ ここから先はヘッドホンやイヤホン使用で、できるだけ大音量で聴いてみると、臨場感がでます。




まずは、アニメ「ブルージャイアント」の劇中曲だけど、実際は日本が誇るジャズピアニストの上原ひろみさんが作曲・演奏している「N.E.W.」

ジャズを聴くコツとしては、主旋律(この曲の場合はサックス)に耳を傾けずに、ピアノやドラムの音に意識を向けること。 ←ココかなり重要! 絶対に忘れないで!
主旋律は嫌でも耳に入ってくる(歌謡曲でいうボーカル)ので、すべての楽器の音を重層的に感じられるように(実はこの感覚は世界理解にも重要!)してみてほしい。
とりあえずここでは、すべての楽器の一体感と疾走感を感じてもらえたらいいと思う。



次はこの動画。 
ここでは去年の8月の記事で取り上げたクラシックの「カノン」の動画を思い出して、映像を見ながら各々の楽器の重なりの立体感や一体感、そしてその楽しさを同時に感じてみてほしい。
ここまでが体感できたら、豊かさを受け取る準備はできていると思うので、「続きを読む」以降に、ぼくのおすすめの曲を置いておきます。

それでは、Have a nice trip!で、よろしくです。
↓ こちらをクリック ↓
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You just watch.12

2024年03月21日 / やさしい哲学



 『 うまれる 』  2023  (34min)

 「ABEMA」にて、5月1日(水)まで無料配信中! いつも通り、下記リンクからご覧ください。
 https://abema.tv/video/episode/660-1_s1_p103

 34分の短編なので内容には触れませんが、一応[R-15]指定のおすすめ映画です。
とは言え、教育に携わる人、子を持つ親、そして15歳未満の人も!見ておくべきだと思う。















.
 NHKスペシャル 『 プラネットアースIII 』

 第1回 「海の世界」 4月21日(日) 午後9:00 〜 午後9:50
 第2回 「陸の世界」 4月28日(日) 午後9:00 〜 午後9:50

ドラマチックな空撮や生きものたちの息づかいが伝わる密着映像など新たな映像表現で地球の素顔を描く自然番組「プラネットアース」。
最新シリーズを2週連続でお届け。
第1回の舞台は海。命ひしめく沿岸の海から深海まで、長期取材でとらえた極上映像の数々。
エイの大集団を襲うシャチの巧みな狩り、深海に大集結したタコの母親たちが繰り広げる命のドラマ。
近年世界各地で進む環境の激変に翻弄される生きものたちの姿にも迫る。














 『 リズと青い鳥 』 2018年 (91min)

 3月25日(月)まで、「ABEMA」にて無料配信されておりますので、ぜひご覧ください。
 こちらをクリック → https://abema.tv/video/episode/106-3_s1_p1

 『リズと青い鳥』 テレビ放送決定!
 NHK Eテレ 2024年04月06日(土) 午前0:46〜2:16 ※5日(金)深夜 




位置付けとしては、アニメ「響け!ユーフォニアム」のスピンオフ映画ということになりますが、
劇場版アニメ「聲の形」メインスタッフ制作の、完全に独立した作品といってよいと思います。

     高校吹奏楽部の少女たちの、受動性ゆえの甘美さと、その行く末を描いた傑作です。
     繊細なタッチで描かれた映像表現と音楽は、大人になった今こそ見てほしいと思います。





















 こころの時代 ライブラリー
 「天地いっぱいを生きる」

 NHK Eテレ 2024年04月01日(月)
 午後13:10 ~ 午後14:00


 兵庫県北部の山の中にある安泰寺。
 自給自足の暮らしの中、年間1800時間座禅を組む。
 この寺の堂頭を18年務めてきたネルケ無方さんに、お話を伺う。
 ベルリンで生まれたネルケさん。
 7歳で母を亡くしたことをきっかけに「自分とは何者か」を考え始め、16歳で禅に出会う。
 そこで発見したものは身体。
 この身体も含めて自分の存在全てが大いなるものに生かされているということだった。


2つのおすすめのギャップが過ぎるってツッコミは置いといて、いわゆる正しい聖職者です。
それが彼の「仕事」なので、年間1800時間の座禅って説明に、過剰に影響されないように。

     いや、仕事っていうより趣味の方が近いかな。 シンプルに、そういうのが好きなんだと思う。
     本当は、別に難しいことじゃないんだよ、うん。 なので話だけ、しっかり聞いときましょうね。















The Jackson 5  『 ABC 』  1970

 ああ、MJはこんなにも自由だったのに…
  


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You just watch.11

2024年01月15日 / やさしい哲学




















 『 自転しながら公転する 』
 山本文緒 (著)  新潮文庫(2022/10/28)

2021年に58歳で亡くなった、女性直木賞作家の山本文緒さん、最後の長編小説。
今の時代と女性心理を見事に切り取り、小説とは正にこういうものなのだと、ぼくは思う。

     昨年末にドラマ化されたものが、まだ「TVer」に残っていたので、紹介しておきます。
     こちらをクリック(全3話 1月18日(木)まで) → https://tver.jp/series/srtt7k5063






























『 Over The Rainbow 』  八代亜紀×JAZZ (2012)

どこか虹を超えたところ
ずっと上のほう
そんなところがあるって
いつか子守唄で聞いたわ
どこか虹を超えたところ
空は青く
そしてあなたが夢見る、そんな夢見る夢だって
本当に実現する

いつか私は星に願いたい、
そして雲たちが遠くにあるところで目覚めるの
わたしを超えて
いろんな問題もレモンの滴のように溶けてしまうところ
煙突の上よりずっと上のほう
そこならあなたは私を見つけるでしょう

どこか虹を超えたところ
青い鳥たちは飛ぶ
鳥たちは虹を超えて飛ぶ
なぜなの、ああ、なぜ私にはできないの?

もし幸せの小さな青い鳥たちが飛ぶならば
虹を超えて
なぜ、ああ、なぜ私にはできないの?
  


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variety24

2023年12月05日 / ひとりごと



 『 太陽 』  1911-16  Edvard Munch  (4m55cm×7m80cm)  オスロ大学講堂壁画


















 谷川俊太郎  (1988)

































『 フリードリヒ・ニーチェの肖像 』  1906  Edvard Munch


『 ツァラトゥストラはかく語りき 』  1896  リヒャルト・シュトラウス

この曲は、フリードリヒ・ニーチェの同名の著作にインスピレーションを得て作曲された。
映画『2001年宇宙の旅』で、第1部「導入部」が使われていることは非常によく知られている。

「2001年宇宙の旅」は、スタンリー・キューブリックが監督したSF映画です。

     哲学的なモチーフ、今見てもスタイリッシュな映像デザイン、人工知能の描写の先見性など、
     1968年に公開されたものとは到底思えません。
     
     アポロ11号月面着陸の実現は、その1年後のことです。




















わたし


わたしがはじまったのは
いつ?
ハハがみごもったとき?

それからずっとつづいているわたしは
だれ?
それともなに?

わたしはだいたい まいあさわたし
でもときどきだれでもなくなる
なにでもなくなる

わたしがおしまいになるのは
いつ?


谷川俊太郎 (1988)







































 『 思春期 』  1894-95  Edvard Munch










































 谷川俊太郎 (1988)





















‐ 『 病める子 』  1896  Edvard Munch





































 「 いえすみねずみ 」
 ジョン・バーニンガム/作  谷川俊太郎/訳 
 ビーエル出版 (2017)






































 『 安楽椅子のそばのモデル 』  1919-21  Edvard Munch






























-
「藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ」 

『 どことなくなんとなく 』

【放送予定】 
NHK総合「夜ドラ」
12月11日(月) よる22:45~23:00
12月15日(金) 深夜24:35~24:50

(脚本・演出)
江口カン

(キャスト)
岡山天音
竜星涼
西野七瀬


3年半くらい前に紹介した藤子・F・不二雄の「どことなくなんとなく」が、NHKで実写ドラマ化。

     監督は、4年くらい前に紹介したドラマ・映画「めんたいぴりり」の江口カン。
     最近では、Netflix製作の「サンクチュアリー聖域ー」(2023)が、世界中で大ヒットしました。
     ご存じないという方は、とりあえず下の14分程の短編ドラマの動画をご覧ください。










































 『 朝 』  1884  Edvard Munch





































             「 わたし 」
             谷川俊太郎ぶん  長新太え
             福音館書店 (1981)






































 『 接吻 』  1897  Edvard Munch





















THEE MICHELLE GUN ELEPHANT  ( FUJI ROCK FESTIVAL '98 )

チバユウスケが酔って嘔吐したものを、とっさに両手で受け止めてくれた女性と結婚したというエピソードは、ジョンレノンとオノヨーコの出会いよりもロマンチックだと思う。
     ぼくは結構好きだ。

「トップランナー」(ドキュメンタリー)  THEE MICHELLE GUN ELEPHANT  (2003年放送)
【放送予定】  NHK総合  12月13日(水)  よる23:50~0:35





























































 「私」について (その2)

例えば、私があなたに、色とりどりのクレヨンの中から、赤いものをとってほしいと言ったとする。
そのときあなたは、当然のように、私に赤いクレヨンを手渡してくれるだろう。

しかし、その両者が見ている「色」は、同じだとは限らない(同じだと証明することはできない)。
私の感じる「青」色を、あなたが「赤」と呼んでいたとしても、実際は何の問題も起こらないからだ。



とまあ、ここまでは大丈夫だと思うんだけど…
この続きはちょっとデリケートなので、数日時間をください。必ず文章を書き加えますので。

とりあえず今日はここまで.











































 『 叫び 』  1893  Edvard Munch






































ふみふみしながらあめだまさんのおっぱいをすうひと
みーさん14さい(にんげんのねんれいだと72ちゃい)
  


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variety23

2023年08月17日 / ひとりごと


     『 Chickadees 』  Maud Lewis












     『 Pachelbel's Canon 』

こういうの、説明するのは野暮なんだけどさ、視覚的に旋律の重なり合い(構造)がわかることで、平板だった音が脳内で立体的に聴こえると思う。 いわゆる「ハーモニー」ってことね。   













     『 Snowball 』  Maud Lewis

































 『 かえりみち 』  

 ブリッタ・テッケントラップ (作・絵)
 木坂涼 (訳)
 ひさかたチャイルド (2022/7/14)

飴玉情報によると、巷では「大ピンチずかん」や「パンどろぼう」とかが流行ってるみたいです。
まあ、そっちも面白いんだけどさ、飴玉チョイスはこっちだよってことで、お願いしたいです。

















     『 Deer and Fawn in Winter 』  Maud Lewis

















 『窓辺で手紙を読む女 』 (1657)  ヨハネス・フェルメール → 修復作業完了 (2021)

























ちょっとロマンチックな話。修復してみたら、壁にキューピッドが描かれてましたってことです。
作者の死後、誰かに消されたみたいだけど、絵のバランスとしては正解だったのかも…

































     『 Team of Oxen in Winter 』  Maud Lewis

















 『 TENET 』 2020 (151min)

 「ABEMA」にて、8月21日(月)~27日(日)まで無料配信! 下記リンクから、一週間見られます。
 https://abema.tv/video/title/84-216(吹替版のみ)

 ハマると最初から見返したくなるみたいなので、お早めにご覧ください。 オススメです。















     『 Bird and Apple Blossom 』  Maud Lewis
















 『 14 canons 』  J.S.Bach

「カノン」っていうのは、「かえるのがっしょう」的な、時間差無限ループ曲のことです。
「14のカノン」は楽譜の余白にメモで書かれていたそうで、バッハの底知れなさを感じます。


















     『 Sunset with Deer 』  Maud Lewis














世界の価値は、世界の外側になければならない(しかし、世界に外側はない)
(ゆえに)世界の中に、いかなる価値もない。仮にあるにしても、その価値にはいかなる価値もない。

世界と生はひとつである。
(ゆえに)世界がどうあるかということは、全くどうでもよいことだ。

神は、世界の中には顕(あらわ)れない。
事実はすべて、問題を課するのみで、回答を与えない。

風が吹いてきて、木を揺さぶる。風は大木をも揺さぶる。わたしたちも、そんな木々のようなものだ。
つまらない考えに、くだらない考えに、どうしようもない思いに、心を揺さぶられている。

太陽が明日も昇るであろうとは、一つの仮定である。
明日の朝がやって来るというのは、単なる予想にすぎない。

語り得るものについては、明瞭に語られなければならない。
語り得ぬものについては、沈黙せねばならない。

全ての科学上の問いに、答えが得られようとも、自らの人生上の問いには、答えは出せないだろう。
もちろんそのとき、何も問いは残ってはいない。実は、まさしく、問いがないことが、答えなのである。

人類は、問題の消滅の中にこそ、人生の問題の解決を見る。
梯子を登り終えたら、その梯子を投げ捨ててもらわねばならない。

世界がいかにあるかが神秘なのではない。
世界がある、というその事実が神秘なのだ。

混乱に陥っている人は、ある部屋の中にいて、そこから脱出しようとしているが、どうしていいか解らないでいる人に似ている。

彼は窓から脱出しようとするが、窓は高すぎる。彼は煙突から脱出しようとするが、それは細すぎる。
しかし、もし彼が振り向きさえすれば、ドアはずっと開け放されていたのだ、という事に気づくだろう。


                               ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン (1889-1951)


















     『 Three Black Cats 』  Maud Lewis












 モード・ルイス (1903-1970)


 田舎の風景、動物、草花をモチーフに、明るい色
 彩とシンプルなタッチで温かみと幸福感のある絵
 を描いた。

 美術教育を受けることなく、独学で描き続ける。
 幼い頃から重いリウマチを患いながら、カナダの
 港町で夫とともに小さな家で創作を続けた。

 カナダで愛された画家の一人である。








1年8か月振りのシリーズ更新、今回のラインナップは、以上になります。
楽しめる人は楽しめると思うんだけど…どうなんだろ…と書き終えて、いつもながら思います。

     ところで、コメントを書いてから一定時間が経つと、「書込」できずに消えてしまうみたいです。
     せっかく書いていただいたコメントなので、消えてしまったら、下記を参照してみてください。

     コメントを書かれたら、消えないようにその文章を必ず「コピー」→「貼り付け」してください。
     それから「書込」をクリックしていただくと、確実に文章がコメント欄に反映されるようです。

  


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ありがとう、GYAO!

2023年02月28日 / 日々の想い


『 日日是好日 』 (にちにちこれこうじつ)  2018年  (100m)

キャスト
黒木華 樹木希林 多部未華子 鶴田真由 鶴見辰吾
スタッフ
監督・脚本 : 大森立嗣 
原作 : 森下典子 『日日是好日「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』 (新潮文庫刊)





長い間、無料でたくさんの映画やアニメなどを公開してくださっていた「GYAO!」が、3月31日をもってサービスを終了することになりました。
ぼく自身、どれだけお世話になったことか、言い尽くせないほど感謝しています。

本当に、ありがとうございました。

そんなわけで、現在公開中のものの中から、おススメの映画を数本、紹介しておきたいと思います。
下記の『映画タイトル』をクリックすると、別ウィンドウで開きます。(公開期限に注意!)

『 バグダッド・カフェ 』 2008年 (109min) 3月3日(金)まで公開

『 日日是好日 』 2018年 (100min) 3月16日(木)まで公開

『 フューリー 』 2014年 (135min) 3月17日(金)まで公開(字幕版もあります)   

  


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