You just watch.14
『 桐に小禽 』 菱田春草 1908年
ある日の早朝、なぜか「テレビ体操」が放送されてて、ぼくは画面を見てたわけじゃないけど、
音だけは何気なく耳に入ってるっていう、そんなシチュエーション。
女子が恥ずかしがることで悪名高い(笑)「ラジオ体操第二」の音楽が流れてて、
ぼくは思わず「ん?」と画面を見た。
聴き慣れてたはずのそのメロディーが、素晴らしくドラマチックで、驚いたから。
体操の振り付けが先行して、それに合わせて作曲されてるはずだから、
その制約はかなり大きいはずで、それは当然、画面上からも見て取れた。
作曲者に思いのほか引き込まれて検索してみると、まず第一と第二の作曲者は別らしい。
ラジオ体操第二は、團伊玖磨(だん・いくま)という人の作曲で、他の作品を調べてみると、
「おつかいありさん」 作詞 関根栄一
「ぞうさん」 作詞 まど・みちお
「やぎさんゆうびん」 作詞 まど・みちお
など、幼稚園や保育園で子供たちに熱唱されてる、誰もが知ってる童謡の作曲者だった。
もちろん各々の作詞も天才的ではあるけど、作曲の秀逸さ抜きでは語れない、あの曲。
こういうシンクロニシティは、世界の小さな秘密を見つけたみたいで、なんだか楽しい。
社会とは全く無関係に、世界が「Yes!」と言ってくれてるような、そんな朝の出来事。
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『 紫陽花 』 菱田春草 1902年
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